ニュースなどを見ると、
「空き家が放置されている」
という話がよく出てきます。
草木が伸びている。
建物が傷んでいる。
近所から苦情が出ている。
そう聞くと、
「所有者は何をしているんだ」
と思うかもしれません。
でも、本当に所有者が無責任だから放置しているのでしょうか。
私は、少し違うと思っています。
多くの場合、
「放置している」のではなく、「決められないまま時間が経っている」。
これが実態に近いのではないでしょうか。
なぜ、決められないのか
たとえば、親から実家を相続した。
自分はすでに別の家に住んでいる。
では、その実家をどうするか。
住む。
貸す。
売る。
そのまま持っておく。
選択肢はいくつもあります。
ところが、それぞれを考え始めると簡単ではありません。
売るにしても、
「いくらで売れるのか」
「今売っていいのか」
「もう少し持っていた方がいいのではないか」
と考える。
貸すにしても、
「修繕にいくらかかるのか」
「借りる人がいるのか」
「管理が大変ではないか」
と考える。
解体するにもお金がかかる。
何もしなくても、今すぐ困るわけではない。
そうすると、
「とりあえず、このままでいいか」
となります。
私は、これは特別おかしな判断だとは思いません。
人は、分からないものを決めにくい
問題は、
「売らないこと」でも
「貸さないこと」でも
「持ち続けること」でもありません。
それぞれの選択肢を比較しないまま、何となく時間だけが過ぎていくこと。
ここに問題があると思います。
たとえば、
売った場合。
貸した場合。
持ち続けた場合。
それぞれ5年後、10年後にどうなるのか。
お金はいくら必要なのか。
どんなリスクがあるのか。
それが分かれば、
「今は売らない」
という判断も立派な選択です。
「何もしない」も選択肢
私は、
空き家になったからといって、すぐに売る必要はないと思っています。
貸さなければならないとも思いません。
場合によっては、
何もしないで持っておく。
これが一番いいこともあるでしょう。
ただし、
「分からないから何もしない」
のと、
「考えた結果、今は何もしない」
のは、まったく違います。
大切なのは、
何をするかを急いで決めることではなく、選択肢を整理すること。
空き家が放置される本当の原因は、
家そのものより、
「どうしたらいいのか分からない状態」
にあるのかもしれません。
そして、これは空き家だけの話ではないような気がします。

コメント