空き家を売ろうと思った。
では、最初に何をすればいいのでしょうか。
「とりあえず不動産会社に査定を頼んで、いくらで売れるのか聞いてみよう。」
そう考える方も多いと思います。
もちろん、それも間違いではありません。
実際、不動産を売却するときには、物件を調べてもらい、価格を査定してもらうことになります。
でも私は、
査定を頼む前に、少しだけ整理しておいた方がいいことがあると思っています。
なぜなら、
「いくらで売れるのか」と「自分たちはどう売りたいのか」は、別の話だからです。
例えば、
できるだけ高く売りたい。
多少安くても早く売りたい。
家財道具を残したまま売りたい。
建物を壊さず、そのまま買ってくれる人を探したい。
近所に知られずに売りたい。
家族の意見がまだ完全にはまとまっていない。
同じ「空き家を売りたい」でも、事情は人によって違います。
だから、
査定価格を聞くことより先に、「自分たちは何を優先するのか」を整理する。
私は、そこから始めてもいいと思っています。
査定を頼む前に、何を整理すればいいのか?
難しく考える必要はありません。
私なら、まず次の5つを確認します。
① この家は誰のものなのか
最初に確認したいのは、名義です。
父親の名義なのか。
母親の名義なのか。
すでに相続して、自分や兄弟の名義になっているのか。
「実家だから自分たちのもの」と思っていても、登記上の名義がどうなっているのかは別の話です。
特に相続した空き家では、
まず「誰が所有者なのか」を確認する。
ここが出発点だと思います。
② 家族の意見はまとまっているのか
自分は売りたい。
でも、兄弟は残したい。
母親はまだ決めたくない。
こういうこともあります。
査定を取ること自体はできますが、
実際に売るとなれば、家族の考えを無視して進めるわけにはいきません。
だから、
「売ることが決まっている」のか、「売ることも選択肢の一つ」なのか。
ここは分けて考えた方がいいと思います。
③ いつ頃までに売りたいのか
半年以内なのか。
一年くらいかけてもいいのか。
特に期限はないのか。
売却では、
「いくらで売りたいか」だけでなく、「いつまでに売りたいか」も大切です。
早く手放したい人と、時間をかけても条件の良い買主を探したい人では、売り方も変わってきます。
④ 家の中や建物は、今どんな状態なのか
空き家を売るとき、
「先に片付けないと売れない。」
「古いからリフォームした方がいい。」
と思うかもしれません。
でも、必ずしも最初から全部やる必要はないと思います。
家財道具はどれくらい残っているのか。
雨漏りや傷んでいるところはないか。
長い間、誰も住んでいないのか。
庭や建物の管理はできているのか。
まずは、
今の状態をそのまま把握する。
そのうえで、
片付けるのか。
修繕するのか。
そのまま売るのか。
を考えればいいと思います。
⑤ 売却で何を一番優先したいのか
最後は、ここです。
高く売りたい。
早く売りたい。
できるだけ手間をかけたくない。
建物を残したまま売りたい。
家財道具の処分まで相談したい。
人によって優先順位は違います。
そして、
すべての条件を同時に満たせるとは限りません。
だからこそ、
「自分は何を一番優先するのか。」
これを一つ決めておく。
そうすると、不動産会社から提案されたときにも、
その提案が自分に合っているのかを判断しやすくなります。
では、不動産会社には何を聞けばいいのか?
ここまで整理できたら、不動産会社に査定をお願いしていいと思います。
ただ私は、
査定額だけを聞いて終わりにしない方がいいと思っています。
例えば、
「いくらくらいで売れそうですか?」
だけではなく、
「なぜ、その査定額なのですか?」
「実際には、いくらくらいから売り出しますか?」
「どれくらいの期間で売れると考えていますか?」
「この家の場合、どんな人が買いそうですか?」
「片付けや修繕は、売る前に必要ですか?」
なども聞いてみる。
大切なのは、
査定額そのものより、その金額になった理由と売り方です。
査定価格は、売却価格が保証されている金額ではありません。
最終的にいくらで売れるかは、買主との交渉や物件の条件などによって変わります。
だから私は、
「一番高い査定額を出した会社=一番いい会社」ではないと思っています。
自分たちが何を優先したいのかを伝え、
その条件に対して、
「なぜ、この価格で、この売り方なのか」
をきちんと説明してくれる会社なのか。
そこを見た方がいいと思います。
査定額が3000万円と3500万円。高い方を選べばいい?
例えば、2社に査定をお願いしたとします。
A社は、3000万円。
B社は、3500万円。
500万円も違えば、
「B社にお願いした方が得なのでは?」
と思うのは自然です。
でも、ここで一度考えてみます。
A社は、
「周辺では同じような物件がこのくらいで売れているので、3000万円前後が現実的です。」
と説明する。
一方、B社は、
「3500万円でいけます。」
と言う。
これだけなら、
私は、まだB社を選びません。
なぜ3500万円なのか。
その価格で、どれくらいの期間で売れると考えているのか。
売れなかった場合はどうするのか。
どんな買主を想定しているのか。
そこまで聞いてから判断します。
3500万円で売り出して、結局何度も値下げすることになるかもしれません。
反対に、本当に3500万円で売れる根拠を持っている会社かもしれません。
だから、
高い査定が悪いのではありません。
大切なのは、
その金額に納得できる根拠があるかどうか。
だと思います。
結局、最初に査定を頼めばいいのか?
私は、
査定を頼んでいいと思います。
ただし、
「とりあえず一番高い査定を出した会社に任せよう。」
ではなく、
その前に少しだけ、自分たちの状況を整理しておく。
誰の家なのか。
家族はどう考えているのか。
いつまでに売りたいのか。
家や家財はどんな状態なのか。
そして、
自分たちは何を一番優先したいのか。
ここまで分かっていれば、不動産会社から提案を受けたときにも判断しやすくなります。
また、自分でも周辺の取引価格を調べてみることができます。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際の不動産取引価格や成約価格などを確認できます。
もちろん、自分で正確な査定をする必要はありません。
大切なのは、
「査定してもらうこと」と「相手の言うとおりにすること」は違う。
ということだと思います。
査定は、決断ではありません。
まず情報を集める。
理由を聞く。
比較する。
そして最後は、
自分たちが納得できる方法を選ぶ。
私は、その順番でいいと思っています。
実家や空き家を売ろうと思っているけれど、
「何から始めればいいのか分からない」
「査定を取ったけれど、この金額が妥当なのか分からない」
という方へ。
売却を決める前の段階でも大丈夫です。
まず、今の状況を整理してみませんか。


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